VICTOR SX-500 Dolceのレストア
低予算かつ名機で音楽を楽しみたい。ということで、低域、高域ユニットに今ではほとんど使われることのないアルニコ磁石を使用したSX-500 Dolceをヤフオクで購入しました。音質は、Dolce(柔らかい)を期待していたのですが、若干粗削りな印象です。1995年頃の製品という事で、オリジナルと音質の印象が変わる可能性もありますが、メンテナンスと楽しみも兼ねネットワークを組みなおしました。
目次
1.スピーカーユニットの取り外し
2.ネットワーク:分析
3.ネットワーク:改造メンテナンス
4.音質
5.備忘録:部品選定
6.購入先(リンク)
1.スピーカーユニットの取り外し
パンチングカバー(スピーカーグリル)の取り外しにかなり苦労しました。カバーの網目に精密ドライバーを突き当てて、ゴム下に少し大きめのマイナスドライバーを滑り込ませてなんとか外すことができました。*少しカバーの塗装剥げました。
ユニットを取り外すと背面側にネットワークが取り付けられてます。
高域側ユニットは薄いコルクがバッフル板に固着しており、剝がれてしまいました。
2.ネットワーク:分析
高域側にはELNA SILMICアルミ電解コンデンサー3.9uF 50Vとフイルムコンデンサー0.47uF 63Vが使用されていました。コンデンサ容量は左スピーカーと右スピーカーで、4.708uF,4.851uFとの容量抜けは無いようです。コイルは珪素鋼板入りとの事でかなり小さいです。
Before(オリジナル)
ケーブルはビクター独自のOFCを使用との事ですが、外はベタベタ、中の線材の何かも青緑っぽく変色しています。これが腐食等の経時劣化であれば電気的特性にも少なからず影響が出るので交換したほうが良さそうです。音質がDolceではなかったのはこれが影響していたかも?
3.ネットワーク:改造・メンテナンス
高域側は奮発してJantzen AudioのSuperior Z-cap:3.9uF,Silver Z-cap:0.33uF,0.15uFと手持ちのスチロールコンデンサー:6800pFの組み合わせ。低域側はMundorofの空芯コイルL140、ケーブルはナノテック・システムズ:SP#79 SVに変更しています。パーチクルボードはオリジナルの部品取り外しが綺麗に出来そうもないので新たに購入し、Jantzen Audioの端子台でコンデンサーおよびケーブルをねじ止めしています。
低域側は直流抵抗値の低いトリニティコイル0.56mHを内部背面板に取り付けました。下写真右上。トリニティコイルを扱っていたA&C Audioは薩摩島津に移行したようで今購入できないようです。復活して欲しいものです。
After(改造後)
スピーカ端子はKURE5-56に浸して布で丁寧に拭いて、接点復活材を塗布しさらに拭きあげました。くすみがとれ高級感復活した感じです。(写真はいまいちですね) スピーカーユニットの埃をブラシで清掃し、固定ブラケットはKUREポリメイトのナチュラルで拭きあげました。パンチカバーは少し黒い塗装が剥げた部分もあり、つけない事にしました。
4.音質
メンテナンス・改造前と比較し、やや荒っぽかった感じがとれ低音から高音まで艶やかな感じがあります。最近はエージングも進んだせいか、低音に深みが出てきたと思います。ジャズやJPOPがとにかく心地良いです。
今後は、より高級な高域側コンデンサー単発+α構成等も試してみたいですが、予算もないので楽しみにとっておきたいと思います。
5.忘備録:部品選定
上記構成で落ち着く前は、下写真に示すようなJantzen:3.9uF Superior Z-cap+0.47uF Standard Z-cap+0.01uFスチールコンデンサの構成としていましたが、オリジナルと比較しエネルギー感が減った感じがあり上記のような構成へ変更しています。下の構成より音抜けがよくなり奥行き感が出た感じがあります。
※コンデンサに銅箔巻きつけてみましたが、音質に違いは感じられませんでした。防磁型スピーカユニットなので当たり前かもしれません。。
その他 スピーカー購入時、低域側のスピーカーエッジ軟化剤をヤフオクで購入していましたが、このスピーカーエッジは十分に柔らかく感じられたので、塗布はしませんでした。
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