Topping E30:改造

 Topping E30の音質に影響を与えそうな箇所の改造を実施しました。※Topping E30:回路構成の分析より
 カップリングコンデンサーは、東信工業 UTJH:音響用ハイグレードコンデンサーに変更、DAC:AK4493EQのVREF端子のバイパスコンデンサーにPMLCAPを追加、出力段のオペアンプ:OPA1612A&アンプICの電源ラインのバイパスコンデンサーの追加/変更をしています。




 

目次

1.カップリングコンデンサー
2.AK4493EQ:VREFバイパスコンデンサー
3.出力段アンプICとOPA1612の電源バイパスコンデンサー
4.音質レビュー


1.カップリングコンデンサー

 OPA1612後段HPFのカップリングコンデンサーの比較検証です。比較は同じ条件とするため、オリジナルのMUSE ES含め5種類の新品で行った結果、UTJH 東信工業の音響用ハイグレードコンデンサーに交換する事としました。 
※Topping E30構成はTopping E30:回路構成の分析を参照ください。
※試聴環境:PC→Topping E30→0dB HyCAA/TDA7294プリメインアンプSX500Dolce改

  左から①PMLCAP、②RFO、③APS、④MUSE ES(オリジナル) 


PMLCAP Rubicon:22μF 16V:薄膜高分子積層コンデンサー

 中高域の音色が美しい。クリア。容量が小さい為か低域が気持ち物足りない気がします。100uFで試してみたいが手持ちの容量がない。※上の写真は写真撮り忘れて4.7uFです。

RFO ELNA:100uF 50V:音響用小型アルミニウム電解コンデンサー

 低域から高域までバランスよい。クリア。量感は少ない感じだが、低域の締りや粘りも感じられる。エージングで解消されるかもしれないが時々歪む感じがする。

APSG 日本ケミコン:100μF 25V:導電性高分子アルミ個体コンデンサー

 ESににている。軽快、スピード感あり、輪郭が若干あいまい。高域のきめ細やかさはあまり感じ感じられない。低域の量感は少ないが深く出ている。音色があまり好みでない

MUSE ES ニチコン:100μF 25V:アルミ電解コンデンサーオーディオ用両極性品

 ワイドレンジ。低域の深み感じられるが、量感はあまりない。さわやか系だが、ふくよかさもそれなりに感じる。比べた中では音楽ジャンルを選ばずバランスよく感じます。E30のオリジナルなので当然かもしれません。

UTJH 東信工業:100μF 50V:音響用ハイグレードコンデンサー

 これは!と感じました。中低域の密度があり、量感も出ます。全体的な情報量が多くなっている?のか、立体感、奥行きが感じられダイナミックレンジが広くなったような気がします。ボーカルものが心地よいです。オリジナルのMUSE ESとは違った聞こえ方がして面白いので、こちらのコンデンサーに変更して楽しむ事にします♪

 縦型電解コンデンサは垂直方向に実装が基本ですが、高さがありケースに収まりません。またリード直径も太い為PWBの穴に挿入できません。穴に入るリード線で延長しコンデンサを寝かせてはんだ付けしました。

 

UTJH 音響用ハイグレードコンデンサー

 

2.AK4493EQ:VREFバイパスコンデンサー

 VREFHL,VREFHR端子のバイパスコンデンサーの構成は、AK4493EQのデータシートを参照すると、470uF+0.1μFで最小値は電源の状態によると記載されていました。オリジナルのTopping E30は、100uF+0.1μF?なので、手持ちのPMLCAP 22μF 16Vを両CHに追加しました。※構成詳細はTopping E30:回路構成の分析を参照 

 改造後、E30に静寂さが加わった気がします。※本当に、気のせいかもしれません。。!(^^)!


3.アンプIC及びOPA1612の電源バイパスコンデンサー

 一番右の最終段のアンプICには10Vと3.3Vが入力されています。どちらもアナログ電源として使用されているかわかりませんが、10Vのバイパスコンデンサーには4.7uF:PMLCAPを追加しました。3.3Vラインにはバイパスコンデンサーは無かったので、アナログ電源として使用していなくても0.1uFであれば悪影響はないかと考え、0.1uF:PMLCAPを3.3Vラインに追加しました。
 続いてOPA1612の+5.65V,-5.6Vのバイパスコンデンサーのラインです。PMLCAP22uFを追加したところ音が出なくなりました。あまり容量の大きなコンデンサーは実装できないようですそこでPMLCAP:0.1uF,ECHU:2700pFを追加してみました。音が滑らかになりましたが、シンバルが強調される感がありバランスが崩れたので2700pFのみにしました(もしかしたらオリジナルと同じように2700pFもいらないかも)。


 元から実装されているバイパスコンデンサー22uFのセラミックの音なのでしょうか?ぎんぎんした音色が気になり始めました。納得がいかなくなったので、オリジナルのセラミックコンデンサーをPMLCAP:22uFに交換してみたところ、音色がクリアで落ち着きのある感じになりました。(↓相変わらずはんだづけが。。)

→後日、やや繊細すぎた感じが出てきたので、PMLCAP22uF+EHCU0.1uF+EHCU2700pFの構成に変更しました。最初試したPMLCAP0.1uFよりEHCU0.1uFの方が音の硬さが無いかんじです。※エージング進んだだけかもしれませんが…


 上記変更を実施したので、変更前に選定したOPA1612後段のカップリングコンデンサーUTJHの音質に変化が出ていないか最終確認です。
 オリジナルのMUSE ESも含め,今回気に入ったUTJH 東信,新たに購入したSILMICⅡ100uF50Vの3種類で最終確認を実施しました。

 左からUTJH 東信,SILMICⅡ,MUSE ES(オリジナル)

MUSE ES ニチコン:100μF 25V:アルミ電解コンデンサーオーディオ用両極性品

 すっきりさわやか系。量感はあまり感じませんが、これはこれでありです。リファレンスですね。

SILMICⅡELNA:100uF 50V:音響用小型アルミニウム電解コンデンサー

 MUSE ESより高域伸び、低域の量感も多い感じがする。

UTJH 東信工業:100μF 50V:音響用ハイグレードコンデンサー

 音色がいい感じです。低域から高域までダイナミックレンジが広く表現力がある感じです。やはりオリジナルとは違う聞こえ方がするこのカップリングコンデンサーにする事にします。

4.音質レビュー

 改造前でも十分音楽鑑賞を楽しんでいましたが、改造により、音色、響き、量感、音場の空間再現性、音の分離、静寂さが向上し、落ち着いた音質になった感じがします(言い過ぎですね(^^♪)。ジャンルとしてはPopsやボーカルものが特によくなったと思います。飽きるまでこの構成で音楽を楽しみたいと思います。(^^♪ 

 次回は、トランス電源を製作して音質が向上するか試してみたいと思います。→Topping E30:トランス電源 






 

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